この記事では、Python初心者でもできるように、イベントスタディをレクチャーしていきます!
イベントスタディは、不祥事やリーマンショック等、何かイベントが発生した際の企業価値への影響を調べたいときにつかわれます!
この記事を読むことで、株式の投資判断をする際の根拠のひとつに利用でき、どのタイミングで売買をすればいいのか分析できるようになります!
記事にでてくるコードは配布しております。下記LINE@からダウンロードください。
メッセージにて、「イベント」とお送りいただければダウンロードができます。

今回は、
- イベントスタディとはなにか理解する
- 株価のリターンを求める
という流れをサンプルコードとともに解説をします!
全3回に渡ってPythonをもちいてイベントスタディをおこなう方法を学んでいきます!
イベントスタディは大学の研究でも頻繁におこなわれています。
イベントスタディは主に株価に関しておこなわれてますが、サイトのアクセス数の異常な変化などの分析などなどにも応用が可能です!
今回の記事では、株式投資メモ様やYahoo!ファイナンス様を紹介させていただいます!
それでは一緒にまなんでいきましょう!
目次
イベントスタディとはなにか理解しよう

Pythonでレクチャーしていく前に、そもそもイベントスタディとはどういったものなのか解説していきます!
イベントスタディとは
イベントスタディを説明するために、「イベント」と「スタディ」の言葉のそれぞれを説明したほうがわかりやすいので分けて話します!
まずはイベントについてです。
M&Aや金融危機など企業に影響を及ぼす出来事。
一言にイベントといっても様々な出来事ですが、大きく「企業内部」と「企業外部」のイベントにわかれます。
企業内部のイベントは、「自社株買いの公表・利益の発表・増配・M&A・他企業との提携・海外進出」などが挙げられます。
企業外部のイベントは、「金融危機・同業他社・取引先・仕入先の倒産・感染病の流行・天災」などが挙げられます。
例えば、現在絶賛流行中の「コロナウイルス」はまさに企業外部のイベントです。
つづいてはスタディについてです。
研究。
スタディをそのまま日本語に訳したものです(笑)。
この、イベントとスタディを合わせたものがイベントスタディです!
イベントスタディで求めるもの
イベントスタディで主に求めるものは、ズバリ株式の「累積異常リターン(CAR)」の動きです。
実際のリターンと比べて、イベント(の基準日)からで明らかに変化を及ぼしているリターンの累計。
具体的な計算方法については第2回にて説明しますが、イベント前後でリターンの変化をみるために使われる程度に今は考えてください!

累積異常リターンを求める理由は、企業の影響を及ぼしている指標として有効だからです。
リターンは株価の期待収益率を指しますが、その株価は企業価値と密接に関わっています。
つまり、累積異常リターンを求めることは企業の価値の急激な変化にを求めることつながります。
従って、イベントスタディでは累積異常リターンを求めます!
Pythonをもちいて株価のリターンを求めよう!
イベントスタディでは累積異常リターンを求めると説明しましたが、そもそもリターンを求める方法を知らないと異常を求めることは不可能です。
そのため、この章では、株式リターンを求める方法をアカデミックに解説していきます!
Jupyter Notebook(ジュピター・ノートブック)を使う
今回、Pythonでイベントスタディをおこなうに当たって、Jupyter Notebook(ジュピター・ノートブック)を開発環境として分析を行います。
ブラウザ上で動作するプログラム実行ツールです。
教育機関や研究機関でも広く使われており、Pythonでデータ分析を行うには欠かせないツールとなっています。

計算をおこなうデータを読みこむ
ジュピターノートブックが準備できたら、下記LINE@から「~~~~」のファイルと「stock_data」のフォルダをダウンロードします。
メッセージにて、「イベント」とお送りいただければダウンロードができます。

その後ジュピターノートブックをもちいて「イベントスタディ第1回」を開きます。

その後、コードを実行させます。

今回もちいるデータはなんでもいいですが、次章にて用いるTOPIX連動型上場投資信託(ETF)のデータでリターンを求めていきたいと思います!
尚、今回用いるデータは株式投資メモ様より取得しています。
株価データの取得先は以下の2つがオススメですので、他のデータで計算したい方は是非!
リターンを求めるときは終値調整値をつかう
先ほどデータを出力しましたが、株価データに終値と終値調整値があります。
このとき、終値ではなく終値調整値を用いることが望ましいとされています。
理由としては、通常の終値の場合、株式分割に影響を受けやすくデータとして参考にならないからです。
発行株式総数をふやすために、資本金を変えないで1株を細かく分割すること。
株式分割の場合、例えば 1000円 =1株 ×1000円のものを1000 = 2株 ×500円にするようなものなので、企業や株主的には資産の変化はないです。
しかし、みかけ上そのまま終値をもちいると1000円から一気に500円に下落したと誤った判断をしかねないです。
そのため、終値調整値を今後使っていきます!
株価データを描画する
株式リターンの計算には関係ないですが、株価データを描画させます。
理由としては、データを視覚的に捉えることは分析する際に有効だからです。
描画した際に株価の急激な下落や上昇があった時期が確認されれば、大体背景になにかしらイベントが発生していると考えて良いです。
書きのようなコードを書き、データをもとに1年間の株価データを描画させます!

これをみると、年間で時期によって上昇や下落はみられますが、明らかに異常な変化はない印象です。
リターンの計算をする
リターンの計算式は以下になります。

企業 𝑖 の 𝑡 日におけるリターンを 𝑟 、株価の終値を 𝑃 としています。
株価の日単位での変化率がリターンになります!
実際に計算していきましょう!
下記のようなコードを書き、リターンを求めます!

データフレームをみるに、リターンを求めることができました!

加えて、せっかくなので平均リターンも求めていきます。

求めることができました!
これをみるに、年間を通してほとんどリターンがないことがわかります!
計算になれたことを踏まえ、次回では実際に本格的なイベントスタディをおこなっていきます!
まとめ
今回は、
- イベントスタディとはなにか理解する
- 株価のリターンを求める
という流れをサンプルコードとともに解説をしました!
次回にいよいよ本格的なイベントスタディをおこなっていきます!
分析するイベントスタディとしては、ある企業の自社株買い前後の累積異常リターンです!
記事にでてくるコードはLINE@にて配布をしております!
LINEのメッセージ欄に「イベント」とお送りいただければ、ダウンロードリンクを送付いたします!
コード配布はLINE@にて!
