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「20代で1,000万円貯金」と聞いて、どのような感想を持ちますか?「相当やりくりしないと難しいだろう」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実際に令和元年に金融広報中央委員会が行った調査の結果を見ると、以下のことが分かります。
しかし少ないとはいえ、20代で1,000万円貯金できている人がいるのも事実です。
そこで今回は、まず20代の貯金事情をデータから紐解いた後に、実際に1,000万円貯金するためにはどうしたら良いのかを解説していきます。
1,000万円貯金を達成したい方はぜひ参考にしてみてください。
1. 1000万円貯金している20代の割合は5%以下
「20代が1,000万円貯金するってどういうことなの?」「凄いことなの?」を理解するために、まずは、どのくらいの割合の人が実際に1,000万円貯金できているかを、公的機関のデータから解き明かしていきましょう。
なお、単身世帯と二人以上世帯では事情が異なるため、分けて解説していきます。
金融広報中央委員会が発表している以下の2つの調査をもとにしています。 |
1-1. 1000万円以上貯金してる20代単身世帯は2%程度
まず、20代の単身世帯の貯金額について確認していきましょう。
金融広報中央委員会が令和元年に行った「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20代の単身世帯で1,000万円以上貯金があるのは、たったの2.2%でした。グラフの濃い赤の部分です。全体の割合からするとかなり少ないことがわかりますね。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和元年調査結果」をもとに作成
ちなみに、前年は1.7%、前々年は2.3%となっており、ここ3年通して、全体の2%程度しかいないことが分かります。20代に限ってみると、1,000万円以上貯金できている人というのはかなりレアな層のようです。
ちなみに同調査で、20代単身世帯の金融資産保有額の平均値は198万円、中央値は80万円でした。グラフを見ても、半数以上の20代独身世帯は、貯金額が100万円未満となっています。なかなか貯金できていない人がほとんどであることが分かります。
それでは次に、二人以上世帯ではどうでしょうか。
1-2. 1000万円以上貯金してる20代二人以上世帯は3.5%程度
先ほどと同じ調査で、20代の二人以上世帯で1,000万円以上貯金があるのは、なんと0%という結果でした。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和元年調査結果」をもとに作成
ちなみに、平成27年からの5年の調査結果を並べると、1.8%→5.3%→6.8%→3.4%→0%となっており、調査年によってバラツキがあることが分かります。過去5年の結果を平均すると3.46%となります。
令和元年の調査では調査対象に偏りがあった可能性がありますが、二人以上世帯だと、だいたい3.5%程度の世帯が1,000万円以上貯金できていることがわかります。
令和元年調査結果に戻り、先ほどの単身世帯と比べると、貯金が100万円未満の割合は減り、100~300万円程度貯蓄ができている割合が増えているのが分かります。平均値は220万円、中央値は165万円です。
1-3. 20代は貯金ゼロの割合がとても高い
調査の結果、20代で1,000万円以上貯金している人の割合は2~3.5%と、かなり低いことが分かりました。
さらに調査を紐解くと、そもそも20代の世帯は貯金が全くできていない割合も高いことが分かります。
20代のうち、独身世帯の45.2%、二人以上世帯でも22.9%が、金融資産を保有していない(資産額がゼロ)と回答しています。
20代に限ってみると、「貯金できているだけでもすごい」といえるのかもしれません。
2. 20代で1000万円貯金できる人の特徴

1章で解説した通り、20代で1,000万円以上貯金している世帯は実に5%にも満たないことが分かります。
それでは、その5%未満の人たちは一体どんな人なのでしょうか?一体どうすれば、20代で1,000万円も貯金できるのでしょうか。
ここからは、20代でも1,000万円貯金できる人の特徴を5つ解説していきます。
2-1. 特徴①目標を立てて貯金額を決めている
20代に限らず、1,000万円以上貯金できる人は、しっかりと目標を立てて貯金を実行している人が多いです。例えば、財形貯蓄や積立定期預金を設定していたり、必ず毎月いくら以上は貯蓄に回すと決めていたり、ルールを決めて実行しています。
例えば、現在貯蓄ゼロの24歳の人が5年後までに1,000万円貯金すると決めたら、毎年200万円(毎月10万円+ボーナス80万円)貯められれば達成できます。

「余った分だけ貯金」と考えていると結局出費がかさんでしまい、貯金できないことも。それを避けるためにも、財形貯蓄や積立定期預金などの先取り貯金などを活用している人も多いでしょう。また、貯金専用口座からは一切引き出さないと決めている人も多いようです。
2-2. 特徴②お金の使いどころにメリハリをつけている
20代で1,000万円貯金できている人は、貯金を楽しみながら実行するために、お金の使いどころにメリハリをつけて無理をせずに貯金しています。
何でもかんでも節約と決めてしまうと、毎日ストレスが蓄積されてしまい、貯金が長続きしません。
例えば、決まった日以外は買い物しないことを徹底する代わりに、毎月〇日には好きな服をいくらまで買っていいなど、メリハリを付けてお金を管理しているようです。
ただし、特徴①で説明したように、使える予算の上限はしっかり決めておくことが大切です。
2-3. 特徴③稼いでいる収入が多い
目標を決めて先取り貯金をして、メリハリをつけながら楽しんで貯金しても、結局は年収が高くなければ十分な貯金はできません。20代で1,000万円貯金している人の特徴として、当たり前のことですが、収入が多いことが挙げられます。
会社員の場合、四年生大学を卒業後、22歳から新卒で会社に入ったとして、20代が終わるまで8~9年間しかありません。その短い間に1,000万円貯金するには、年収が多くなければ到達できません。
例えば年収が200万円(手取り170万円)なら、8年働いてようやく1,360万円です。現実的ではありませんが、稼いだ金額のうち7割を貯金できたとして、やっと1,000万円貯金できる計算です。一方で、もし年収が500万円以上あり、毎月とボーナス月に10万円ずつ貯金できるならば、7~8年で1,000万円貯めることが現実的になります。
実際、商社や証券会社など年収が高い業界では、20代半ばで年収1,000万円を超えることもあり、年収が高い人がガッチリ貯金すれば、1,000万円は難しくはない金額でしょう。
また、自分で事業を成功させて稼いでいる実業家は、加速度的に収入を増やすことができます。会社員だと年収は高くても1,000万円代など上限が決まっていますが、事業が成功すれば億単位で稼いでいる方もいます。
例えば「マナブログ」で有名な坂内学さん(現在30歳)は、2016年から年収150万円→年収1,800万円→年収3,300万円→年収9,000万円と着実に収入を増やしているそうです。
出典:マナブログ
2-4. 特徴④資産を積極運用している
20代で1,000万円貯金している人の最後の特徴として、ただ普通預金に預けるのではなく、積極的にリスクを取りながら積極的に運用していることが挙げられます。
資産運用では、金融商品をどう組み合わせるかという「ポートフォリオ」が重要ですが、20代で未婚なら、ある程度リスクの高い運用が可能です。ハイリスクならハイリターンも見込めますし、上手く行けば短期間で資産を増やすことができるのです。
ハイリスク・ハイリターンの投資商品とは、例えば、FX、先物取引、暗号資産、不動産投資、ソーシャルレンディングなど。 |
運用で得た収益をふたたび投資すれば、複利効果で確実に資産を積み上げていくことができます。
3. 20代が1000万円貯金するための7つのステップ

3章では、実際に1,000万円貯金するための7つのステップをご紹介します。ここで紹介するアドバイス通りに進めていけば、1,000万円貯金が夢ではなくなるでしょう。
3-1. 明確な目標とプランを作る
1,000万円貯金を確実に実現させるためには、明確な目標作りとプラン作りが欠かせません。
まず、自分の現在の貯金額を確認し、1,000万円貯めるにはあといくら貯める必要があるか、何年後までに貯めるかを決めます。例えば現在の貯金額が200万円で、8年後までに800万円貯めたいなら、1年で100万円ずつ貯めれば良い計算になります。
あとは、ボーナスや月の手取り額を計算し、月にいくら貯めるのかを決めます。

単純計算すると毎月8.34万円となりますが、おすすめなのはボーナスは全額貯金してしまう方法です。例えばボーナスの合計が40万円なら、残りの60万円を12カ月で貯めれば良いため、毎月5万円貯金すればOKということになります。
3-2. 先取り貯金を設定する
先取り貯金も、1,000万円貯金を実現させるために大切なポイントです。先取り貯金とは、給与天引きなどを利用して、貯金額を別の口座に自動的に移す設定にすることをいいます。
例えば、給料日に20万円入金されたら、そのうち5万円を自動的に貯蓄口座に送金する設定をしておきます。貯蓄口座からはお金を引き出さないと決めておけば、通常の口座に残った15万円で毎月やりくりせざるを得なくなりますよね。
どの銀行も取り扱っている「自動積立定期預金」を利用すればこの仕組みが作れます。また、勤務先に財形貯蓄制度などがあれば、それを利用しても良いでしょう。
3-3. 現在の貯蓄額を常に把握しておく
1,000万円貯金を成功させるためには、現在の貯蓄額がいくらか常に把握しておきましょう。
目標までの進捗状況が分かりますし、貯金が少しずつ増えていくのを確認することで、自分のモチベーションアップにもつながります。
毎月銀行の通帳を記帳しても良いですが、おすすめは次に紹介する家計簿アプリです。
3-4. 家計簿アプリで支出を管理する
家計簿アプリとは、スマホで簡単に家計簿を付けられるスマホアプリのことです。それだけでなく、銀行口座やクレジットカード情報などを紐づけておくと、自動的に資産の内訳も見ることができます。
家計簿アプリを立ち上げるだけで常に資産がどれだけ増えたか確認でき、さらにクレジットカードで支払った買い物は入力しなくても自動連携で入力されます。
設定した予算と比べてどのくらいオーバーしているかも見ることができ、支出を管理することができます。
▼おすすめの家計簿アプリ2選
アプリ名 | 概要 | ダウンロード |
マネーフォワードME![]() |
利用者数1000万人突破の「お金の見える化」家計簿アプリ。銀行・クレジットカード・電子マネー・ポイント等、2,660以上のサービスを連携可能です。 | iPhone |
家計簿Zaim![]() |
無料で簡単に利用できる人気家計改善アプリ。手入力はもちろん、銀行・クレジットカード・ショッピングサイトと連携して自動的に入出金を記録できます。 | iPhone |
3-5. 収入を増やす
貯金額を計算してみても難しそうならば、収入を増やすことを検討すべきかもしれません。
毎月の収入が少なければ、支出を頑張って減らしてもなかなか貯金できないものです。どれだけ節約しても、住居費や生活費は一定額はかかってしまうからです。
できるのであれば、収入を増やす方法を考えてみると良いでしょう。収入を増やす方法には、以下のような選択肢があります。
同じような仕事をしていても、会社によって給料は違うものです。仕事量に対して明らかに収入が低すぎると感じるならば、同じ業界の別の会社だといくらぐらいもらえるか、リサーチしてみると良いでしょう。
また、副業禁止の会社ではないのなら、副業をしながら自分のスキルを磨くのもおすすめです。副業については、「バレないおすすめの副業30選!内職・夜職・日払い仕事まで一挙紹介」で詳しく紹介しています。
3-6. 自己投資にお金をかける
1,000万円貯金するために節約する必要はありますが、自己投資にはお金をかけるようにしましょう。
自己投資することで、勤務先での評価が上がって年収が上がったり副業で成功できたりと、結果的に自分の収入を増やし、貯金が貯まりやすくなることにつながります。
3-7. 複利効果で資産を増やす
ある程度まとまった貯金が形成されてきたら、資産運用で増やすのも良いでしょう。
元本が増えた分もそのまま更に運用することで、複利効果を狙えます。20代は、ある程度リスクを取った資産運用にもチャレンジしやすい年代です。ただし、生活に必要なお金は手元に残し、余剰資金を使って資産運用を行いましょう。
など
まとめ
この記事では、20代のうちに1,000万円貯金した人が実際どのくらいの割合なのかを明らかにした後、20代で1,000万円貯金できる人の特徴や、20代が1,000万円貯金するためのコツについてお話しました。
金融広報中央委員会が行った調査の結果を見ると、実際20代で1,000万円貯金できている人はかなり少ないことが分かります。
しかし、それでも貯金できている人がいるのも事実です。
今回紹介した貯金のコツをぜひ実践してみて、あなたも20代のうちに1,000万円貯金を目標に頑張ってみてはいかがでしょうか。